こんにちは!朝山家の聡士(@HbHlUnRqYkj?bRMQ)です。
大分県豊後大野市の緒方町の里山の集落から発信しています。
田舎ならではのイベント、自治会の新年会に参加しました。
今回は、なんだか暗い年初めになりました。
田舎暮らしは楽しいことだけではありません。
今までは田舎暮らしが楽しくなるような情報を発信していましたが、
この記事では、
- ありのままの寄り合いでの出来事
- 客観的に感じた田舎が衰退すると思う理由
- 20代後半のアラサー筆者が感じた違和感
などを実体験を元に包み隠さず書きます。
※最初にお伝えしますが、消して愚痴や不満ではありません。
そして、いくら地域に5年も住んでもよそ者はよそ者です。
筆者が客観的に感じた地域の様子を、正直に記録に残しておこうと思います。
おそらく、
田舎の不動産屋さんや地方移住を促進している関係者は、
好んで発信しないディープな内容
だと思います。
※あくまでも一個人の体験談として読んでみてくださると幸いです。
正月早々、ある方から怒り口調で来た電話
回覧板にて新年会があることはあらかじめ伝えられていたので、
40分前に家を出ようと支度していると、
ある方から電話がかかってきました。
「何時だとおもっとる?きみ役員でしょ?」
え?なんで怒ってるんだろ?と意味が分からず
「30分前に集合場所に着くように今から出るところです!」
「役員は1時間前に用意することが決まっとるんや」
役員のLINEグループがあるのに…あらかじめ伝えてくれたら助かったのにな。
そもそもコロナ禍だから簡易的に短めに終わらせるって聞いていたのに…
と色々と思いながらも、
田舎の洗礼を受けるのにも慣れてきた筆者。
これは人生のネタにしてやろうと画策することにしました。
(辛かったことも後になれば笑い話にできるでしょう)
「そうなのですね!知りませんでした!すいません!」
と、謝罪して直ぐに向かいました。
田舎時間?しきたり?集合時間前に来たのに?
他の役員さんは自治会長さんと電話をしてきた人が既に到着しており、
入り口の地べたに座り込んでタバコをふかしてリラックスしていました。笑
そしてなんと、
他の役員さんは、ほぼ筆者と同じタイミングで到着。
その後、もう1人の高齢の役員さんが後から来ました。
他の役員全然1時間前に来てない笑
「明けましておめでとうございます!」
とあいさつをして、みなさんと世間話をしていたら、
なんだか場が和みました。
(あれ、さっきまで電話してきた方怒ってなかったっけ?まあ…いいか笑)
集合場所に着いた時には何かはじまっていた
30分前に着いて驚いたのが、もうすでに役員ではない他の方が会議をしている最中。
筆者は参加する必要のない会議なのだとか。
そしてなぜか、筆者は電話口で怒られたのに
筆者と同時に来た方や、後から来た方はお咎めなしです。
遅刻した訳でもないのに、これはちょっと不親切じゃないか?
と思ったのですが、田舎の場合は年功序列。
どんな時も、若者が率先して先に来るのが慣習
なのです。
これはさすがに初見殺しだと思うし心ないな
と感じましたが
とりあえず、お酒や軽食を来た方全員に渡していく係を率先してやってみました。
もちろん、都市部でも田舎でも良い人はいますし田舎に限った話ではありません。
若者が高齢者を支えるという暗黙の了解
田舎の若者の定義は初めに伝えておこうと思うのですが、
50代とか60代でも若者です。
過疎化が進んだ限界集落では、
80代後半の方が現役バリバリで農作業してます。これには最初驚いた。
そもそも自治会なんて自由加入でしょ?
と思われる方、田舎の場合はそんな常識は通用しません。
さまざまな生活インフラなども自治会と絡んでくるので、
ほぼ、加入しないという選択肢はないでしょう。
サラリーマンなどをしている非農家の方からもたまに悲鳴や不満が聞こえます。
▶︎【農協の回覧板】私、農家じゃないんだけど?!自治会の組長が農家でなくても任せられること
▶︎【限界集落】草刈り地獄!高齢化と人口減少で水路整備と道の草刈りが2倍に!
▶︎【水の問題vol.02】飲料水も集落で自給自足〜共用水源のローカルルール編〜
▶︎【田舎の風習】移住して初めて経験した集落の初盆のならわし。
いよいよ年始会スタート!自治会の総会での点呼係
筆者は、
自治会行事の度に点呼係を任されています。
点呼係とは、
自治会に加入している方の名前を順に呼んでいき出欠確認をする作業
です。
ちなみに総会への不参加は罰金です。厳しい…
この際に、標高が高い場所に家があることかつ、
この土地に長く住んでいる順に点呼をしないといけない
という謎の風習があります。
長く土地に住んでいる人=この地域で発言権を強く持つ
高いところに住むこと=偉い
らしいです。
これは、リモートワーカーや2拠点生活泣かせのしきたり。
時代が変わっても伝統は伝統らしく、
なんだかなぁと思いながらもその通りにしました。
昔のことになるのですが、点呼係を依頼された最初の日、
筆者が
「点呼のやり方がわからないので、一度教えてもらってもいいですか?」
とある方にいうと
「それなら他の役を代わりにやってくれないとね?」
と突っぱねられました。3回り以上年上からの指導、きびしいですね。
昔の時代に根性とか気合とかの精神論で鍛えられたのだろうなと思いました。
※筆者がその年齢になった時はそのようなやり方には、
染まらないように気をつけたいと思います。
自治会長は実費?!自治会の参加者にしていた驚きのこと
総会の中でびっくりしたことの一つに、
自治会長さんは、
実費で自治会の住民分の飲料(アルコール)を自治区に購入し、
自治会の加入世帯分を用意する
というしきたり。
お酒が好きな方は良いかもしれませんが、飲めない人からは不満が出そうですね。
ただでさえ自治会の仕事が多い自治会長の役割なのに、実費でお酒を配るなんて。
誰もやりたがらないのはわかるなあと感じました。
もし世代交代したら、
誰かが無理したら苦しむ昔の慣習は廃止し、時代に合わせてアップデートしたいところです。
そもそも、地域をよくする活動なのに負担になるようなことはしたくない。
どんな内容が総会での話題になったか
- 集落に送られた品物の披露
- 道路にガードレールがついた報告
- 各組の支援員の専任
- 中山間事業の申請、予算額の減少、耕作放棄地の増加の報告。
- 集落内のイノシシの罠に29匹もかかった報告
- 補助金事業の話(中山間事業・多面的機能支払交付金事業・自治区の保全会)
などなどです。
話自体は10分程度で終了。
あとは、農業従事者がメインの話が1時間程度続きました。
非農家の方々は、ほぼ関係のない話だったので場の空気はなんだか静かで不穏でした。
※いつも、総会や寄り合いの際は非農家さんは一目散に解散していきます。
自治会の非農家と農家の見えない確執
筆者の住むエリアでは、集落協定という行政からの補助金をもらって集落機能を維持する仕組みがあります。
それは農業従事者だけではなく非農家も登録することができます。
補助の条件が、
集落全体で取り組まないといけない内容なので不参加の選択肢は与えられないです。
しかし、農家さんと非農家さんの生活スタイルや家庭の事情も違うので、
土日が休みの方や子育てをしたい方にとっては負担です。
夏場は草刈りやどぶさらい、水路の管理などで、
せっかくの土日や休日が潰れてしまうので見えない不満や確執があるのです。
実際に、筆者も土日がお仕事なので正直な話すごく悩んでいます。
周りは農家さんが大多数でかつ年齢も高齢のため仕組みは変えずらいと思っています。
かといって、
非農家の住民が農地などの保全のための草刈りをしなければ農家さんが暮らしていけませんし、景観も悪くなります。
農業従事者にしかメリットを感じないこの自治会での仕組み。
実は、20年間やり方が変わっていないそうです。
その当時はみんな農家さんだったからだということで、
ある農家の方が
「そろそろこの仕組みを変えなければ農業従事者と非農家である住民との確執が深まる」
と、他の集落の事情を例に真っ当なことをおっしゃっている方もいて、
農家さんでありながら公平な立場で意見できるのはすごいなと感じました。
静かに沈みゆく集落。出口戦略はあるのか?
移住したこの地域は、
限界集落を通り越し危機的集落に指定されています。
さらに補助金も年々減っていき、耕作放棄地が増える一方。
米農家さんはみんな赤字。
赤字なのになぜ米作りをするのか?
とある方に伺ったところ、
「御先祖様が守ってきた農地を荒らさないため」
とおっしゃっていました。
高齢者は年金暮らしなので良いかもしれません。
しかし
若者が田舎で暮らすには、仕事やマネタイズの仕組みが必要。
それを許さなくなってしまうと、
高齢化も止まらずどんどん若者は地域から出ていきます。
この地域の未来を考えたときに、
両立できる方法はないかと模索中です。
その場しのぎの自治会運営では継続は無理?
自治会の活動内容はほとんどが農家のためのもの。
ほぼ、農家のための仕組みで運営がされています。
農業振興地域だから当たり前っちゃ当たり前か。
物価高による肥料や農薬の高騰など、農業は暗いニュースばかりです。
集落内の米を作る人もこのままではいなくなるでしょう。
年々減っていく、自治会に交付される農業従事者への補助金。
自治会内での他の取り組みの予算から回せば良い
という案も出ましたが、
その場しのぎの対策では、その予算も数年で尽きてしまうし、
持続させることを考えたら焼へ石に水かもしれません。
考え方が偏るのはよくない!外からの視点も入れようよ
かといって筆者は農家ではないし、口出しをするのも違うなと思うのですが
こうすればさらにより良いのでは?
という積極的なアイデアも意見も、
最近は全く口にしなくなりました。
それに加えて、一部の人(ほとんどはそうではないけれど)は、
地域外から人が来たり住んだりすることに、なぜか肯定的ではないのです。不思議。
田舎特有の排他的な思考はよくないと感じますし、
故郷のことを思うのであれば、その考え方は逆なのでは?
とも思います。
それは、地域での既得権益が崩れるからかもしれません。
せっかく地域貢献をしようと地域の外側からきたとしても、
地域が変わらなければ、
いずれは集落が消滅することは避けられないとも思います。
なかには、
地域の行事に他の参加者が見学に来るだけでも自治会長さんの許可がいる
という
謎の排他的なルール
も実際に存在します。
なかなか集落に入り込むというのも、ハードルが高いことの一つかなと感じます。
若い人や外からの移住者を受け入れない=鎖国状態。
高齢化と人口減少が続けば、限界集落の消滅が近づくと思います。
関連記事▶︎【豊後大野市】ボラホリ?移住するなら地域のことを知れるかも?
そして、ボランティアも良いのですが、
若いというだけで、労働力として地域に使われるのも甚だ違う
と思っています。
補助金以外の田舎でのマネタイズを考えないと、
ボランティアには限界があることも確かです。
今回感じたことの記録
- 田舎でも都市部でも、自分に合わない人や考えの違い、ジェネレーションギャップがあるので付き合い方を考えなければならない。(隣人は選べない)
- 残すべき伝統や風習は、残し、悪き文化は記録して無くすべき。(生産性の無いこだわりやルール、時代にそぐわない悪しき風習)
- これから田舎に移住を検討する方は、田舎の良いところだけではなく悪いところも知っておく必要がある。(風習、しきたり、自治会の行事など)
- 大正・昭和を生きた人たちは、年功序列・気合い・やる気が大事。(こうやって鍛えられたのだなぁとその時代を生きた人と関わることで実感することが出来た)
- 今の若者世代には到底理解出来ないしきたりや風習が多数あるが、民族的な価値観で俯瞰して考えると置かれている状況を理解できる
- 物価高にあえぐ農家さんはさらに厳しくなると思うが、新しい方法やいままでのやり方を変えないと自分で首を締めることになりかねない。
田舎に暮らしている人であれば、そんなの当たり前じゃん?
と思うことも、
地域や職業、年齢層が違うと当たり前じゃないです。本当に。
どちらが正しいか正しくないかとかそういう話ではないです。
一番やってはいけないと思うことは、
自分の考えを押し付けて従わせること。
人の振り見て我が振り直せと昔の人はよくいったものです。(自分も気をつけたい)
ちなみに、この「家を建てたら自治会がヤバすぎた」という漫画。
田舎暮らしのあるあるがふんだんに盛り込まれていて、
実際に読んでみましたが、共感できることが多く面白かったです。
これから田舎暮らしを検討する人や実際に田舎に暮らしている人ならクスッと笑える内容です。
(2023/01/08)
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