こんにちは!朝山家の聡士(@HbHlUnRqYkjbRMQ)です。
大分県豊後大野市の緒方町の里山の集落から発信しています。
今回は、「ツヅラフジ」の探し方と何に使うかを
同じ集落に住む、田舎暮らしの達人に教えてもらいました。
気がつけばあっという間に12月の半ば。
集落の霜月祭りという集落の伝統的な祭りも無事終わりました。
昨年(2021年)と同じように、しめ縄作りを集落の方で行いました。
【関連記事】:【集落の伝統】豊後大野市緒方町の集落の住人で「しめ縄づくり」をしました!
行事が終わったあと、集落に住む田舎暮らしの達人に
「つづらを取りに行くから一緒に行かんか?」
とお誘いをいただきました。
最初、ツヅラをカズラに聞き間違えて
「カズラって葛の事かな?」
「うちの裏にも生えているし、草刈りをする際に絡みついて厄介な植物。」
「わざわざ取りに行くなんてなぜだろう?」
と思ったのですが、どうやらカズラではなくツヅラのようです。
ちなみに筆者の住む地域では、
「カズラ」は葛のツタを指す事が多く、絞って加工する事で葛餅の材料にもなる植物です。
「つづら」とは、「ツヅラフジ」という植物のようで、
取りに行くからどんな植物か?どうやって使うのか?教えてあげるからついて来ても良いよ!
ということで、ご厚意で集落の中にある山に連れて行ってもらいました。
聞くところによると、
「ツヅラフジ」はカゴやランプシェード、
いけ花を飾るためのカゴ作りの材料で使うとのこと!
これは田舎ならではの自然体験だ!
と思い、実際について行ってみることにしました。
ツヅラフジってどんな植物?
名前の由来は、藤(ふじ)という植物に見た目が似ていることと
「つづら」を編む材料に使われていたことから「ツヅラフジ」という名前がついたそう。
写真:実際に山で採取した「ツヅラフジ」
写真:実際に山で採取した「ツヅラフジ」の根っこ
「オオツヅラフジ」と「アオツヅラフジ」の見分け方
「ツヅラフジ」には種類があるようで、
見分け方については調べたものを記載しておこうと思います。
本州関東地方南部以西、四国、九州、沖縄、台湾に自生の蔓性落葉低木です。左旋性の蔓は10m程に伸長します。根際から細い走出枝を出して、地上に拡がります。掌状の葉は互生し、6~7月に葉腋に淡緑色の花を円錐花序につけます。雌雄異種、まれに同種もあります。よく似た植物にアオツヅラフジがありますが、オオツヅラフジの葉は無毛、茎の断面は暗褐色、灰褐色の放射線状の線があり、アオツヅラフジの茎の断面は灰白色なので区別できます。10月頃、暗褐色の実を付けます。アオツヅラフジより蔓は太く丈夫なので、昔は籠や葛籠を編むのに利用されていました。東邦大学HP引用
どんなところに群生していた?
ある場所とは、杉と雑木が生い茂る人の手が入っていない杉林の中。
「ほらあった!」
地を這うように枯葉の下の方に「ツヅラフジ」が生えていました。
「ツタ科の植物は木の高いところに絡み付いているのかな?」
と思ったのですが意外にも地面に生えていました。
写真:ツヅラフジを採取している様子
12月の中旬でも枯れずに直径が均一な植物が枯葉の下にたくさん!
等間隔に同じ方向に伸びたツタ状の植物は、
ところどころ根を張ってはいるものの、
手で引き上げれば簡単に根が取れました。
ツタの長さは長いもので5メートル以上のものも!
ツタ科の植物の葉が最後に残るようです。
「ツヅラフジ」を採取する時の注意点と見分け方
田舎暮らしの達人は、軍手をし慣れた手つきでどんどん発見。
不要な根の部分を鎌で切り落とし、手際よく採取していきます。
冬ではなく春先に採取しても良いのだとか。
「ツヅラフジ」は天然毒である「アルカロイド」という成分を含んでいて、
人間にとっては有毒です。しかし、ヒヨドリは実を食べるそうです。
特に肌が弱い方は、かぶれないように軍手をつけて採取するのが良さそう。
もちろん食用できません。
「コーヒー」に含まれる成分でもあります。
「ツヅラフジ」の採取した後の処理
採取した「ツヅラフジ」は真っ直ぐではない曲がったところなどを切って
くるくると丸めておきます。全然折れないので頑丈なことがわかります。
次に、巻いたものを沸騰しない程度のお湯でアク抜きをします。
その後、乾燥させたら材料として使えます。
「ツヅラカゴ」ってどうやって作るの?
田舎暮らしの達人を質問責めにしてしまって、ついには作り方を聞いてみる事に!
すると、返って来たのは
「YouTubeで作り方が見れるよ!」
とまさかのスマホも使いこなしていました。
お年を召した方はインターネットは使わないだろうと思っていたので正直驚きました笑
参考動画:平林里山整備の会(富山県富山市八尾町平林)
ちなみに、田舎暮らしの達人いわく
つづらふじのツタを使って編んだカゴは高級品なのだとか。
まとめ
- ツヅラフジは杉林の地面に生えていた
- ツヅラフジの見分け方はツタの太さ、断面、実から
- ツヅラフジはカゴを編む材料になる
- 普通のフジとの見分け方はツタの断面がスカスカではない
ツヅラフジには「オオツヅラフジ」と「アオツヅラフジ」など種類がある
- カゴを編む時に根の部分を切らずに生かす方法もある
昔の人の知恵を1ついただき、また学びが増えました。
知識として知っているのと、実際に山に入って体感するのは後者の方がやっぱり面白い。
もし、山に行く際は「つづらふじ」を探してみては?
(2022/12/12)
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