こんにちは!朝山家の聡士(@HbHlUnRqYkjbRMQ)です。
私たちの住む里山にも春が訪れ、あっという間に初夏です。
家の周りをたくさんのツバメが飛び周り、せっせと家を作り、あっという間にヒナが孵りました!
ツバメは、家を作ろう!と思った場所から自然にある材料を調達してきます。
高いところに頑丈な家を作ってしまうツバメは立派な大工さんですね!
前回の記事では、田舎での家探しの方法を書きました。

今回の記事は、地域おこし協力隊OBである私たちが失敗したことを中心に書いていきたいと思います。
地域おこし協力隊をしているとヤバいことやひどいこともたくさんありました。
他山の石だと思って、田舎暮らし検討中の方はぜひ家探しの参考にしてみてください。
かなり長い記事になっています。それでは行ってみましょう!
私たちの家さがしの失敗
たくさんの失敗をしてきましたが、その中でも田舎で家探しをされている方に向けて
5つエピソード事例を挙げて紹介させていただきます。
私たちは不動産業界のことや行政の制度についてはじめは無知でした。
【エピソード01】空き家バンクの物件はすぐに入居できる状態ではなかった
話は遡ること2018年の3月。豊後大野市での仕事が決まり、家探しをしていました。
職場は、尾平鉱山という鉱山の近くの大分県の指定管理施設でした。
ほぼ、祖母山の登山口だったのでできるだけ職場から近い方が良いかなと思い家探しをしたのでした。
職場から近いって言っても、職場からふもとまで40分弱はかかります。
ただでさえ険しい山道の通勤だったので、
通勤時間は1時間圏内のエリアで住める場所を探すことにしました。
そこで私たちは引っ越す前に、
空き家バンクに登録されている物件の住所から3軒程度候補を絞って住む場所と家を選びました。
そして、事前に3つの物件のどれかを借りることと引越しに向かう日程を連絡をした後に大分方面に車で向かうことにしました。
田舎暮らしの生活の拠点!条件は3つ!
- 食料品など生活用品の購入が比較的に容易なこと
- 職場から自宅が1時間圏内の場所
- アパートじゃなくて一軒家(DIYを自由にできたらな)賃貸物件は以前住んでいたアパートは駅近で2DKの広さ。
HPの間取りをみていると、都市部では考えられない価格で考えられない広さの家に住めることにびっくり!
一軒家を借りることができて月の家賃が3万だと?!
田舎だと広いお家に住めるね!
とワクワクしながら妻と一緒に引越しの荷物をまとめました。
引越し先を決めるべく、宮崎市から運転すること車で3時間。大分県豊後大野市に到着!
そして、空き家バンクの窓口に足を運び、
「この3つの物件を紹介していただけませんか?」
と相談したところ、
「どの物件も現状住める状態ではありません。」
「不動産の内覧もできません。」
と回答が返ってきました。
なんだって?!
住める場所がない?!
引越しの荷物を持ってきたのに下すところもないだと?!
一瞬、思考停止になりました。
市のHPに掲載されていたのは見間違いだったかな?と思いました。
なんと!確認すると、空き家バンクに登録されてからずいぶんと長い期間が空いていたようです。
空き家の期間が長ければ長いほど、人が住める状態ではなくなっていきます。
新築の一般住宅ですら、10年間も放置すれば人間が住めない廃墟状態になってしまいます。
ネット世代の私たちのはずでしたが、そこは盲点でした。
事前の下調べと確認不足でした。
自分の住んできた環境とは全く異なり、まるで”新しい土地を開拓する感覚”
海外旅行に来たのかな?ってくらいカルチャーショックを覚えました。
気を取り直して、大分移住計画はふり出しにもどる。
引っ越しの初日は荷物を載せたまま宮崎市にトンボ帰りでした。
気を取り直してリベンジです。九州圏内だから「まあいっか」とポジティブに考えることにしました。
こればかりは仕方ない…!
私たちが反省したことは、空き家バンクの制度と仕組みをしっかりと確認していなかったことです。
空き家バンクの運営担当は市役所の職員さん。不動産の仲介は行政サービスとしては行っておらず、
仲介と内覧の立ち合いなどは不動産屋さんが担当だと言うことを知りませんでした。
しかも、空き家バンクに登録された物件を内覧したい時は、
市役所のまちづくり推進課に「内覧申請(空き家バンク利用申請)」を事前に申請しないと内覧できないことを学びました。
※自治体や、毎年制度運用の方法が変わるとのことで事前に「空き家バンク」の利用方法を確認することをオススメします。
※私たちが空き家を探していたのは2018年の頃。2019年から空き家バンクのポータルサイトが正式に利用できるようになりました。
移住希望者の方はこちらをどうぞ!→大分県豊後大野市移住定住ポータルサイト
【エピソード02】不動産屋さんから借りたら安心?
仕事の関係上住むところを早く決めないといけないこともあり、空き家バンクは諦めて不動産屋さんに仲介してもらうことにしました。
話を聞くと、地域に空き家はたくさんあるようでした。
しかし、そもそも不動産屋さんが扱う一軒家の賃貸住宅の登録がほとんどありませんでした。残念!
しかも扱っていたとしても賃貸物件と言うよりも不動産業者が定期的に管理している程度の状態。
すぐにでも住める状態の空き家って本当に少ないんです。
空き家の持ち主が不動産屋さんに相談して賃貸住宅で貸せる状態にしたほうが早いかもしれません。
しかし、空き家と言えども個人の所有物。
築年数が古すぎて不動産価値がほとんどないのにもかかわらず、賃料を払えるレベルではない物件も平気で存在します。
言ってしまえば、一般的な賃貸物件の価格相場にそぐわない家賃の家もあります。
そして、もっとも気をつけないといけないことは設備などは個人負担になる可能性があること。
普通は不動産のオーナー側が入居状態を整備した後に貸し出すのが普通ですが、
田舎の場合は、、、
「設備を付けたければ自分で付けてね!」って言う感じです。
そもそも田舎なので家賃相場が低いので、
仮に、借り手が住む前に「暑いしエアコン購入をしてください!」
とお願いしたとしても、
貸し手は、「逆に住む環境を整えるのにお金かかるから悩むな」
と言うことになってしまうのです。
ちなみに、周辺の草刈りなどの周辺整備もセットでついてきます。草刈機は使えるようにしましょう。


実際に私たちも、入居後にお風呂のお湯を沸かす設備が故障して使えないことに気付きました。
すぐさま契約をした不動産屋さんに連絡を入れて、すぐに修理業者がきたものの
工事が終わった後に、
工事業者が「工事費を払ってください」と言ってきて借主である私たちに請求がきてびっくりしたこともありました。田舎ではあるあるなのでしょうか?
もちろん不動産屋さんを通して借りていたので、工事費は払いませんでした。
賃貸物件なのに、お風呂のお湯も使えないなんて、、、。
賃貸物件なのに、工事費を請求されるなんて、、、。
ちょっとショッキングな出来事でした。
個人間で賃貸契約をしたらもっとトラブルの確率はさらに上がりそうなので、
もし、個人間の契約を結ぶのであれば、貸し手と借り手の納得がいくように、賃貸契約書を作りましょう。
可能であれば、慎重によく話し合いながら第三者(立会人)を立てて契約書を交わすことをオススメします。
宅建士の知り合いがいれば尚更良いですね!
【エピソード03】入居前に掃除は必須?入居前に自力で掃除。
不動産屋さんが仲介に入ってくれたので、すぐに住めるだろう!安心安心!と思っていました。
しかし!
都市部に住んでいた私たちの予想を覆す事態になるのです。
一部屋だけ、畳が入れ換えてあり綺麗にはなっていましたが、その他は掃除をした形跡がありませんでした。
まず、玄関を開けるとカビの匂いがすごく、死んだクワガタムシのメスがお出迎え。
え?!
さらに何か落ちている。
拡大してみると、
こわ!新手のホラードッキリかと思いました。
よくわからないけれど、女の人の目の部分の雑誌の切り抜きが落ちていました。
入居日に玄関を開けて、すぐにこの状況。
めちゃくちゃ怖くないですか??
さらに、嫌な予感が当たってしまいます。
お次は気になる水回りです。
回せど回せとドアラッチが機能していないドアノブ。
なんと言うことでしょう!
1日の終わりに綺麗になるはずの場所が逆にあれです。
ガスでお湯を沸かすタイプのお風呂。薪よりは進歩している様子。
しかし!
※ガスの湯沸かしは故障中のようです。
そして、懐かしさを感じる昭和のおばあちゃんちの便所床柄のタイルです!
そして、内側のドアがヤバかった。
こんなカビ汚れは見たことがない。
もはやこれは掃除ではどうしようもないレベルでした。
豊後大野でお風呂が使えない時は「ホテルますの井」の銭湯利用が便利です。
お次はキッチン。
一体何なのかわからない備え付けの容器とガス缶。
水が染みてきているのか、立ち入ることを拒んでいるように沈む床。
まるでこの町に来たことを歓迎していないかのような住まいの状態でした。
掃除をしたのかもしれないけれど、非常に汚い。ここで自炊は無理!!
ガス台を置くことを拒むような長年の汚れとカビ。
逆に、こんなに汚すにはどうすればいいんだろうって思うレベルです。
付近に飲食店がないのに自炊ができないなんて過酷すぎる。
仮に、ここで料理なんてしたら、天井からゴミのスパイスがふりかかりかねません。
ちなみに、
食事は家のキッチンで作らず、
近くの川でアウトドアキッチンでした笑。
今になっては、笑い話ですがその当時は正直言って気が滅入ってしかたなかったです。
そんなこんなで頑張って掃除を続けたり、
実費で工具や消耗品を揃えて、DIYを頑張っていました。
そんなこんなで、やっと住める状態になってからある日。
住んでいる地域の草刈りや行事に参加していると、
「こんな状態の物件で賃料をとったらクレームレベルだよ」と知り合いの方もかわいそうに思ったのか、
一生懸命に掃除を頑張っている姿を見守ってくれていたのか、
夕方にはご飯を作って持ってきてきださったり、身の回りのことを手伝ってくださいました。本当に優しすぎた。
そして、地域振興のお仕事をしていることと将来的に民泊をしたいことを地域の方に伝えると
地域にあるさまざまな空き家を紹介していただけることになりました。
つまり、近所の方が同情して応援していただいたことが次の住む家を探して、決めるスタート
でした。
次の住まいが決まった後に、1年間掃除とDIYを重ねながらきれいにしたところ持ち主の方に感謝され、
私たちが綺麗にして退居した後に購入希望者がこの空き家を購入されたらしいです!よかった!
仕事のこともあり、
移住先の賃貸物件探しはろくに内覧もせずに決めてしまったことが失敗の原因
でした。
しかしながら、まだ空き家にしてはリノベーションできるレベルでしたがもっとやばい空き家もあったそうです。
空き家になってからの期間が短ければ短いほうが家の状態もよく、住める状態にするまでに時間と手間を省くことができます。
【エピソード04】すぐ入居できる賃貸物件はほとんどない
賃貸物件はまずは不動産屋さんに聞いてみるのが確実ですが、
住みたいエリアに実際に足を運んでみて、そのエリアに住んでいる人のことや雰囲気などを自分の肌で感じることが大切だと思っています。
立ち話や世間話の中で、空き家の話題が上がれば何かヒントを教えてくれるかもしれません。
田舎の場合、個人の所有物である空き家を貸してもらうと言う方法が一番確実だと思っています。
知らない人には貸さない、よそ者には貸さない!と言う方もいますので
地域に溶け込んで信頼を築いていくのも大切です。
または、エリアごとに地域のキーマンがいますので人伝にあなたを紹介してもらいましょう。
一番のオススメは、先輩移住者を訪ねてみること。
移住を検討しているエリア、人、インフラなど失敗をしないように様々な情報をくれるかもしれません。
【エピソード05】田舎暮らしは駐車場必須!
田舎暮らしは車が必須です。
駐車場が無い家なんて田舎にいったらほとんど無いとは思いますが、
気をつけないといけないのは、「道幅」です。
車こそ通れるのですが、大きな車が入ることができないところもあります。
実際、私たちの最初に借りた家も駐車場こそあったのですが軽自動車がやっと入るようなスペースしかなかったので
よくしてくださったお隣さんの車庫をお借りさせてもらっていました。
今考えれば、どこからきたかもわからない人に自分の駐車スペースを貸してくれるなんて
なんとも親切な方だったなと感謝感謝です!
私たちが成功だったと感じたこと
たくさんの失敗をしましたが、中には成功だったと思うこともありました。
失敗も成功の糧!とポジティブにいきましょう。
家探しをされている方に向けて、3つ例を挙げて紹介します。
【エピソード01】空き家リノベーションの練習になった
DIY初心者はいきなり物件をリノベーションするのはハードルが高いです。
そこで!
直接、不動産屋さんを介さずに家の持ち主の方に相談して交渉を行いました。
通常は、賃貸不動産はリノベーションやDIYはNGです。
しかし、不動産の状態によっては家を貸す前よりも住んでもらってDIYしてもらったほうが
きれいになるし、現状以上に不動産の状態が良くなることもあります。
自由にリノベーションやDIYしても良いという許可をもらって、
壁を塗ってみたり、珪藻土や漆喰を塗る練習をしたり。
時には、金属切削作業やちょっとした大工仕事などをしたりして経験を積みました。
DIY初心者は、youtubeやDIYをブログにしている方を参考にするのがオススメです。
【エピソード02】賃貸物件で仮住まいしながら、古民家探しができた
私たちが移住をした「豊後大野市」。
市と言っても、7つの市町村が合併した市なので範囲がかなり広いです。
私たちは、「仮住まいしながら気に入った場所で、気に入った古民家を探そう!」
と考えていました。住む場所は緒方町と言う町に決めていたのでその町の中で二段階移住みたいなイメージですね。
二段階移住って何?って思った方は、高知県が促進している二段階移住と言う方法が動画にまとめられています。
参考にしてみてくださいね!
こちらの動画も移住後のギャップを埋めるために見ておくと面白いかも。
おそらく、都市部から田舎に移住した際に感じる感覚のズレがコミカルに表現されていて秀逸だなと思います。
高知県の場合は、まずは都市部に住んでそこから県内の地域に移り住むために検討しようという移住の形です。
私たちの場合は、住みたい町が決まっていました。
その町に住みながら情報収集をして町の中の移住先、つまり今の空き家を見つけたという感じでした。
【エピソード03】広い一軒家に住むことができた
町内で、二段階移住をしながら住みたいエリアと住みたい空き家をとことん探しました。
紆余曲折がありましたが、地域のキーマン達に協力してもらいながら、たくさんの空き家を紹介していただいた結果私たちの理想とする市街地から少し離れた里山にある空き家にたどり着くことができました。
現在はセルフリノベーションして空き家は宿として再生させました。
広さは、4DKの大きな平屋です。
最終的には、セルフリノベーションで部屋数は減ってしまったものの3部屋の壁を解体して、1部屋にすることでさらに大きな空間を作ることができました。
どうやってリノベーションしたのかを時系列であさやけ編集部の記事にて発信していきたいと思います。
それではお楽しみに!
まとめ
- 地方移住は、まずは賃貸物件を借りて住みたいエリアと物件を探す「二段階移住」の方法がオススメ。
- 一定期間住みたいエリアで仕事や地域活動をしてみる
- 空き家を探すなら、住みたいエリアのキーマンを探して協力を仰ぐこと。
- 空き家になった期間が短ければ短いほうが、物件の状態が比較的良好である。
- 空き家バンクの制度をよく理解して内覧などを検討すること
- 空き家バンクに登録されていない状態の良い空き家は絶対に存在する
- DIYが可能である物件は、本格的にリノベーションをしたいと言う熱意と志がある人には練習できることもあって経験を詰めるので価値がある
- 田舎暮らしは車が必須なので、駐車スペースは絶対確保できる場所を選ぶ
- どの年代でもコミュニケーションを取れることが望ましい。
- DIYできるかできないかは賃貸物件であれば不動産を所有しているオーナーさん次第
(2022/06/22)



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