こんにちは!朝山家の聡士(@HbHlUnRqYkjbRMQ)です。
今回は、田舎暮らし初心者の私たちが味噌の自給にチャレンジする話です。
美味しい味噌が作れるようになったら朝山家での味噌づくりのワークショップなど、
体験メニューを企画してみたいなと夢も広がります!
私たちの目標である、できる範囲での自給生活にも近づきます。
私たちの味噌作りは、
まずは「大豆を植えるところから」スタート!
味噌までの道のりは遠いですね笑
暖かく見守ってくださると嬉しいです!
自分自身、大豆を植えたことは人生で初めての試みです!
味噌ができるまでの工程を少しずつ発信していきたいと思います。
使う大豆は「みさを大豆」という大豆。
一般にはほとんど流通していないので、大事に育てていきたいと思います。
朝地駅で行われたイベントに立ち寄ったことがきっかけで、
熊本県高森町の「井上みさをさん」が発見した幻の地大豆「みさを大豆」
を知り合った方から譲っていただきました。
ちなみに、遊びに行ったイベントは、「えほんとおかし」というイベント。
定期的に朝地駅で開催されているので、ぜひふらっと立ち寄ってみてくださいね!
九州の大豆事情
最も栽培されている品種と栽培されている県
まずは、九州で栽培されている大豆について調べてみました。
九州圏内で最も栽培されている品種は「フクユタカ」。
令和2年のデータでは、九州地域全品種の約85%を占め、佐賀県が最も生産量が多いです。
令和4年1月 九州農政局生産部:九州地域の大豆をめぐる事情から引用
国産大豆の価格は?
令和元年産及び令和2年産は天候の不順や台風の影響があり、収穫量は大幅な減収。
九州産大豆は高値で取引価格が推移したようです。
特に著しい減収となった令和元年産の「福岡県産フクユタカ」は、24,260円/60kgの平均落札価格。
1kg当たり404円という価格になっているようです。
資料:大豆をめぐる事情(農林水産省生産局穀物課)より引用
みさを大豆とは?
さてさて!ここからが本題です!幻の大豆と言われる理由を調べてみました。
みさを大豆の「みさを」って?
「みさを」とは、発見者の名前です。
お隣の熊本県、高森町の「井上みさをさん」という明治時代から大正時代を生きた農家の主婦でした。
高森町の草部地区・高尾野集落の農家「井上貞記」氏の二女として生まれました。
大正10年(1921年)35歳の時に新種の大豆(みさを大豆)を発見しました。
写真:井上ミサヲ記念碑
産業振興功労者として県知事表彰も受けた歴史が「井上ミサヲ記念碑」に刻まれています。
所在地:〒869-1822 熊本県阿蘇郡高森町矢津田「井上ミサヲ記念碑」
なぜ幻の大豆と言われているの?
「みさを大豆」の大きさは小粒で平べったい形状。
農業の近代化に伴って大豆を収穫して選別する際に、
選別機で選別が難しいという理由などから、地大豆を栽培する人がかなり減ってしまいました。
農家が生きていくためには仕方がないことだったかもしれません。
希少な品種を絶やすものかと、高森町の一部の農家で細々と受け継がれてきた経緯があります。
手間がかかる分、一般にほとんど流通することはなく、希少価値が高いと言えます。
参考:大豆の選別の様子↑
みさを大豆の特徴
流通量が多い「フクユタカ」と「みさを大豆」の形状を比較してみました。
こちらが「フクユタカ」です。
写真:フクユタカ
こちらが「みさを大豆」です。
写真:みさを大豆
まんまるではなくて、丸長なものや楕円形のものなど様々。
つまり、「フクユタカ」が丸い形なのに対して、
「みさを大豆」の形は、小粒で扁平なのが特徴です。
みさを大豆の味と栄養
大豆は畑の肉と言われるくらい栄養価が高い植物。
なんと、可食部100グラム当たりのたんぱく質量は牛肉を上回ります。
「みさを大豆」はビタミンE、大豆サポニン、大豆イソフラボンなどが
「フクユタカ」の1.5倍前後
含まれているといいます。栄養価の面でもとても優れていますね。
味に関しては、一般的に流通している大豆と比べて濃厚で、栗のような甘みがあることが特徴です。
ネムノキの開花が大豆を植える合図
大豆ってどこに植えるの?いつ種まきするの?っていう初歩的な疑問に打ち当たりました。
地域の農家の方にまずは聞いてみると、
と教えてくださいました。
朝山家の付近のネムノキも花が満開です。
花の咲く日中の時間は、葉は眠りにつき、夜明けとともに葉は開いて花はしぼんでしまいます。
なんとも神秘的!
ネムノキの花が咲く時期は、6/15 ~ 7/20頃
大豆の種のまき時期は、5〜7月上旬頃
ちょうど花が咲く時期と種まきの時期と重なります。
実際に植えてみた
一般に地大豆は、その土地の風土や気候に順応している点が特徴らしい。
病害虫に強く、栽培しやすいという特徴があるので、難易度は少し下がるのかなと感じています。
一方、地大豆は機械化のために品種改良された「フクユタカ 」などの奨励品種とは違って、選別など手仕事が多いことが特徴です。
今回は、
農薬を使用せずにできる限り自然栽培に近い形で育ててみること
にしました。
田んぼの畔から土を調達
ちなみに、大豆は別名「畦豆(あぜまめ)」とも呼ばれます。
「畦(あぜ)」とは、田んぼの周りにある小さな道「畦道(あぜみち)」のことを指します。
本来の大豆は、田んぼのあぜ道を補強するために植えられていたそう。
なぜ畔に植えるのかというと、畦道の補強のためだとか。強い根っこが畦道が崩れないように強くするのです。
そんな昔の知恵からヒントを得て、田んぼの土を使うことにしました。
土づくり
田んぼの土に加えて、炭酸苦土石灰や牡蠣ガラを散布してphを調整します。
pH(6.06.5)に改良することで、総節数が増加して、収量が30~40%程度増加するらしい。
参考:農研機構:大豆の安定生産のための土壌pH改良効果
今回は、蠣殻を細かくハンマーで割って土に混ぜ込むことにしました。
ハンマーで砕くと、結構飛び散るので少しずつやったほうが良いと学びました。
肥料について
近所の農家さんにもらってきた稲わらと朝山家で飼育しているニワトリの糞(鶏糞)を混ぜ込んで使用してみました。
田舎暮らしにおいて、卵に肥料にニワトリは最強です!
ニワトリ小屋の作り方を知りたい方はこちらの記事を読んでみてくださいね!
いざ種まき!
発芽には15〜25度の気温が必要なので、十分暖かくなってから種をまく必要があるらしい。
2022/06/21以降から21度以下の気温にはならない予想なのでちょうど種まき時期に適しています。
育苗ポットに種をまいて苗まで育てる方法で実践してみました!
【実践した種まき手順】
- 直径9cm(3号)の育苗ポットに種まき用の土を入れる
- 2センチくらい(指の第一関節ぐらい)の位置に2粒ほど大豆の種を土に押しこむ
- 土が乾かないよう定期的に水やりをする
- 7~10日ほどで発芽し、本葉が1~2枚ほど生えた頃にプランターや地面に植え替える(※次回の記事に書く予定!)
01.育苗ポットに赤玉土小粒など種まき用の土を入れる
今回使用したのは、直径9cm(3号)の育苗ポットです。
作った土をポットに入れていきます。
植える「みさを大豆」は全部で29粒。
1つの育苗ポットに2粒程度植えると良いらしく、育苗ポットを15個使用しました。
02.2センチくらい(指の第一関節ぐらい)の位置に2粒ほど大豆の種を土に押しこむ
人差し指を使って2粒ほど種を土に押し込んで植えていきます。
03.土が乾かないよう水やりをする
大豆は、乾燥に弱いので定期的な水やりが必要です!
田んぼの畔に植えられていたのも納得です。
※乾燥すると早く花が落ちてしまい、実がつかないらしいです。
病害虫発生を対策
大豆づくりをする上で、気をつけないといけないことは「カメムシ」による吸害です。
どう対策するかは、芽が出てきて育ってきた頃に考えようかと思います。
まとめ
大豆はしょうゆや味噌、豆腐、納豆などの原料として欠かせない、日本食の基本食材です。
みさを大豆で作った豆腐は、濃厚な旨みを感じることができるらしく将来的には豆腐作りもやってみたいと思いました。
これからの「みさを大豆」の成長記録も記事にしていく予定です。
(2022/06/21)
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