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日淺 聡士

【カンタンなプロフィール】

■理系四大学卒業(夏目漱石の「坊ちゃん」がOB)
■民間企業勤務(航空業界)
■協力隊&ITベンチャー
■「朝山家」の運営
■起業(PLD代表)
■NPO法人空き家サポートおおいた

→大分県の山奥の限界集落に夫婦で移住。
古民家をDIYとリノベーションで数年かけて再生。
→「朝山家」という宿を妻と一緒に営む。

→好きな食べ物はうどんとおでん。
→DIYや渓流釣りなどアウトドアが趣味。

里山での田舎暮らしと
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【限界集落】草刈り地獄!高齢化と人口減少で水路整備と道の草刈りが2倍に!

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#移住

こんにちは!朝山家の聡士(@HbHlUnRqYkjbRMQ)です。

大分県豊後大野市の限界集落から発信しています。

私たちの住むエリアは、自治区としての草刈りが年に二回あります。

 

今回は、夏の炎天下の草刈りについての内容です。

 

前回の記事でも書きましたが、

集落の草刈り作業は、高齢化と人口減少によって他の小部落との共同での作業となりました。

よって、作業範囲が2倍になったのです。

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草刈りのことを地元の方々は、「道普請(ミチブシン)」といいます。

こちらに来て初めて知ったニューワードです。

 

全世帯での草刈りは年に2回なのですが、

「神社の草刈り」「お祭りの前の道の草刈り」

さらには「農業用の水路の草刈り」「公民館の草刈り」「共用駐車場の草刈り」などなど…。

 

もうね、草刈り地獄です笑

 

草刈りをする場所×年に数回!

 

これを休日にボランティアでするのだから否が応でも草刈りが得意になります笑

休日返上で共同の奉仕作業を行うのですが、

サービス業の私たちにはとても悩ましいことです。

お金はもらえないし、仕事ができないし、でも村社会だから参加しないわけにはいかないし。

しかし、ここで生活する上では仕事は最優先したい。

フリーランスだから有給はない…。

年々人口が減っていく中で、分担ができない草刈りの範囲が広がっていき、

さらに回数もさらに増える…。

集落に住む上で一番のネックであり、ずっと悩み続けているところです。



さてさて、本題に戻りますが、

いつも地元の農家の方々は、集合時間の15分前に集合して世間話。

 

「草切りが大変じゃのう〜せっちいし手に合わん!」

※除草作業が大変で面倒。自分の力ではどうにもならない!という意味。

と口を揃えて話されていました。

 

しかも、年に二回以上は草刈りをしないと

道などが荒れ、自然に飲み込まれてしまうので

草刈りの回数が異常です。

自然の中で暮らすのは想像以上に大変なことです。

草刈りをしないと、マダニに刺されるリスクも高くなります。

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そして、獣が隠れることができる場所が増えると、

彼らの住処になってしまうので

安心できる里山の暮らしを維持する上でも、草刈り作業は必須なのです。

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自宅周辺の景観も悪くなるので、

田舎暮らしは、草刈りはマスターすべき必須作業なのです。

草刈りの日程は常会という総会で決まる

1日目は、自治会長と組長という自治会の役職の方がまずは集まって、

日程とスタートする時間を決めます。

そこで話し合いをして、決まった日時をそれぞれの組のメンバーに伝えるという流れです。

2日目は、日付と時間を決めておき、住民全員が集まる総会時に共有するという

トップダウンの組織運営です。

スマホや携帯電話を持たない方のために、公民館に直接集合です。

つまり草刈りの日程を決めるために二回休日の夕方などに集まらなくてはいけません。

 

草刈り作業をするメンバー

草刈りをするメンバーは、私たちの組(6戸)と隣の組(2戸)の合計8人です。

年齢的には、80代後半と70代前半、50代後半。

そして、私(ギリギリ20代)の年齢構成です。

メンバーの半数以上が農業従事者になります。

草刈り作業をする範囲

私たちが移住した部落のエリアは6世帯でした。

草刈りの作業は、世帯主が出るルールがあって

赤色の範囲が持ち回りの範囲です。

 

しかし!

 

高齢化や、不幸にも世帯主が亡くなってしまったことで

隣の部落と合同で草刈りなどをしようとなったのです。

こんな狭い部落間でも、一緒にやろう!と言うことになれば難しいことです。

大分における競い合いの文化と統合の文化は、こちらをどうぞ

小藩分立から生まれたまとまりの悪さや競い合いの文化としての「一村一品運動」

について詳しく書かれています。

 

今までは、6世帯で約1900mの距離を一日かけて草刈りをしていました。

距離的には約1kmの長さなのですが、道路の両端なのと山間部なので

道がフラットではないのが辛いところ。

青色の範囲が合同でやろうとなった範囲です。

8人で約3kmの除草作業と、刈った草の片付けをします。

聡士
聡士
1人あたり375mの草刈りと除草作業!



草刈り午前の部

私は、組長と言う自治会長の次の役職。

公民館係という役があります。

内容は、名前を呼び上げて出欠確認をする仕事です。

点呼が終われば、除草した草を運搬する方にガソリン代を渡して

組のメンバーにペットボトルのお茶を人数分配って作業する場所まで移動します。

田舎に住むと、軽トラがすごく便利なことを身をもって感じさせられます。

草刈機や農機具、さらには人まで運びます笑

草刈りをする現地に到着したら早速草刈り祭りのスタートです!

農業をされている方は、草刈りがめちゃくちゃ早くて丁寧です。

草ボーボーの場所がきれいになっていく様子は作業するのも、

見ているのも気持ちが良いです。

10時を過ぎた頃には、汗でびっしょりになりました。

Tシャツを絞ったら、汗が滴るくらいに汗をかきます。

水分補給をして一休み。道路に座って休憩できるのは田舎ならではです。

休憩後は、合同でやることになった青色の範囲をみんなで作業していきます。

意外と草を集める作業って大変でした。

草刈り午後の部

道路が終わった後は、水路の周りの草刈りの作業です。

今回、水路の草刈りも2倍の範囲となりました。

 

草が多すぎてもはやどこが水路かわかりません笑

 

水路については、山の中の水路「萩の山線」と「大久保線」の二つです。

水路を管轄している富士緒井路の支流にあたる範囲だそうです。

所々、水路沿いにはヤマユリが咲いていて、とても綺麗で癒されました。

昔は、もっとたくさん咲き乱れていたらしく年々少なくなっているそう。

イノシシも大好物の植物です。

これ、集落の方いわく「調理して食べると美味しい」のだそうです。

里山は食材の宝庫ですね!

気がつくと、17時。

時間を知らせる曲が鳴り始めます。

豊後大野市のイメージソングは「ふるさとおおの」という曲です。

作業はどんどん後半戦に差し掛かってきます。

こんなところに田んぼが!というくらい山の中に農地があり、

水路が張り巡らされていました。

ちなみに、刈った草は、車が入れない農道なので運搬ができません。

そこで、草を集めて火事にならないように燃やしていきました。

草の焼ける匂いって、田舎を感じさせませんか?

私にとっては、幼少期を思い出す懐かしさを感じることの一つです。

※農業振興地域だからできること。消防署に事前申請をしなければ燃やしてはいけません。

草が燃え尽きたら作業終了です。

炎天下の中の作業にもかからず、皆さん生き生きとしていました。

普段から厳しい自然環境で農業をされていると、慣れるのでしょうか?

体力がまだまだ残っている様子でした。すごい。

まとめ

作業を終えてフラフラになりましたが、

他のメンバーの方はさらに自分の田んぼの作業などをされていました。

恐ろしい体力だ!とびっくりさせられました。

これから、草刈りの作業ができる人数はどんどん減っていくばかりです。

地域の景観を守るためには、こういったボランティアでは限界が来ていることを

ひしひしと感じました。

田舎暮らしは大変なこともありますが、助け合いの精神で地域は成り立っています。

これからもみんなで協力していけたらなと思います。

それにしても、草刈り後の川遊びは最高だったな…。

(2022/07/31)


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