こんにちは!朝山家の聡士(@HbHlUnRqYkjbRMQ)です。
大分県豊後大野市の限界集落から発信しています。
私たちが住んでいる豊後大野市は、
日本ジオパークとユネスコエコパークの両方に指定されている自然保全地域です。
「世界遺産」は、手つかずの自然を守ることを原則とする一方、
ユネスコエコパークは自然と人間社会の共生が目的となっています。
里山で生活していると、季節ごとに様々な昆虫が現れます。
これ、なんの昆虫だろう?
と疑問に思うことが日々あるので、見つけた時につど記録していきたいと思います。
※発見した昆虫は、採取せず写真を撮るのみです。
虫が嫌い!という方は、記事を読み進めるのをストップしてくださいね!
今回、発見したのは「タマムシ」の幼虫です。
地元の方が、「切り倒した木があるから持って行っていいよ」と
エノキの丸太をくれたのですが、
木を割ってみるとなんだか頭が大きく、胴が細長い変な幼虫が出てきました。
ちなみに、googleレンズで調べてみたのですがヤマトタマムシと検索結果にヒットしたので
「ヤマトタマムシ」と仮定して、調べていきたいと思います。
成虫になる前の状態で見たのは初めてです!
まずは、「タマムシ」の成虫の外観
【在来種】タマムシ (玉虫)
コウチュウ目(鞘翅目)Coleopteraカブトムシ亜目(多食亜目)
学名:Chrysochroa fulgidissima (Schonherr, 1817)
幼虫の撮影場所と時期
場所は緒方町軸丸区の農道です。
自宅で昆虫観察ができるレベルのプチ山奥です。
所在地:〒879-6635 大分県豊後大野市緒方町軸丸721
写真:エノキから出てきたタマムシの幼虫
2022/11/01に朝山家の敷地内で薪割りをした時に撮影したものです。
薪割り機で木を割ったところ、未知の昆虫に「なんじゃこりゃ」と叫びました。
ちなみにカメラは、iPhone11です。(加工なし)
割れた木の中央にいるところを撮影しました。
頭は、ヒルのように大きく、白い細長い胴をもつ大きさは40mmぐらいと
見た目が特徴的な小さな幼虫です。
日本に生息するタマムシの種類は、約200種類とも言われています。
「ヤマトタマムシ」、「フタスジアオタマムシ」、「フタスジルリタマムシ」、「ウバタマムシ」などがいますが
googleレンズを信じて「ヤマトタマムシ」と仮定して記録していきたいと思います。
「タマムシ」のレア度
成虫の寿命はなんと2ヶ月。
6月~8月ごろに、日本国内(本州、四国、本州)でみることができ
7月後半が最も発見できる確率が高いようです。
※レッドブックによると、県によってはレア度が高いようです。
絶滅危惧I類→宮城県
絶滅危惧II類→山形県、茨城県、東京都、群馬県、長野県
準絶滅危惧種→千葉県、高知県、宮崎県、長崎県、熊本県
「タマムシ」ってなぜ光る?
タマムシの特徴はなんといっても、美しく光る虹色の体。
緑の光沢色の中に、赤や黄色や紫などの色で見る角度によってキラキラ光ります。
なぜ光るのかというと、理由は構造色といって
透明な層がたくさん重なってこの美しい色を生み出しているようです。
※成虫などの写真を見たい方向けにリンクを貼っておきます。
「タマムシ」の毒性
美しい薔薇にはトゲあるといいますが、
幼虫と成虫両方とも毒はないです。
好んで触りたくはないけれど。
「タマムシ」の生態
自然界では、枯木のくぼみに卵を産みます。枯木は桜、えのき、ケヤキ、コナラ、クヌギ、カキです。
約3年の間、幼虫は木の中で過ごし、約20日後に孵化して成虫になります。
そして、寿命は2週間という短命。はかないですね。
建築材料にとっては害虫
成虫になったタマムシはエノキ、ケヤキ、サクラなどの木の葉を食べるので
農林業の害虫とされておりタマムシの幼虫は長い間木の中で過ごすため
新築の建築物から成虫が出てきたり、建築後の木に産卵することで木の中を食い荒らしてしまうことが
人間にとっては居住空間に現れる害虫となるようです。
「タマムシ」の言い伝え
写真:玉虫の羽
タマムシは「玉虫」と漢字で書き、
「玉」とは宝石のように美しいという意味です。
とくに奈良県斑鳩町の法隆寺の「玉虫厨子」(国宝)で知られる厨子(仏像を安置しておく入れ物)には、
推古天皇が自らが信仰する礼拝の際に使われ、装飾品として使われています。
国宝の装飾品にも使われるくらい、タマムシは縁起がよい、めでたい虫とされて親しまれてきました。
タンスの中に縁起物の「タマムシ」をいれておくと着物が増える
という言い伝えもあるようです。
「タマムシ」に思うこと
出会えれば縁起もよく、幸運な気分になる「タマムシ」。
3年間も幼虫で木の中で過ごすのに、
成虫になってこの世に生まれてきてから生きられるのはたったの2週間。
昔の日本人は、タマムシの命のはかなさと美しさに
価値を見出したのも調べてみると納得でした。
夏には、外に出て注意深くエノキ、ケヤキ、サクラなどの木を見てみようと思います。
(2022/11/02)
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