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日淺 聡士

【カンタンなプロフィール】

■理系四大学卒業(夏目漱石の「坊ちゃん」がOB)
■民間企業勤務(航空業界)
■協力隊&ITベンチャー
■「朝山家」の運営
■起業(PLD代表)
■NPO法人空き家サポートおおいた

→大分県の山奥の限界集落に夫婦で移住。
古民家をDIYとリノベーションで数年かけて再生。
→「朝山家」という宿を妻と一緒に営む。

→好きな食べ物はうどんとおでん。
→DIYや渓流釣りなどアウトドアが趣味。

里山での田舎暮らしと
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【田舎暮らし】水源地までの道が崩落。みんなで復旧した話

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#里山日記

こんにちは!朝山家の聡士(@HbHlUnRqYkj?bRMQ)です。

大分県豊後大野市の緒方町の里山の集落から発信しています。

今回は、集落のみんなで作った水源地までの道が台風による大雨で崩れてしまい、

なんと業者に頼らず集落の住民で復旧作業をした話です。

筆者の住んでいる集落は、湧水をタンクに貯めて電気ポンプで高台に運び

それを各世帯に給水しています。

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都市部や行政の上水インフラが整っている町と違うところは、

山の谷部からの湧水である事、

水道設備を集落の住民で管理していることなどですが、

意思決定の場として年に数回水道組合の集会が公民館で行われ、

運営の仕方が住民に依存するところです。

例えば、

水源地までの道をどうするか?

水道料金はどうするか?

維持費をどう賄うか?

などなど。

本来なら水道局などにお金を払って上水を使うのがセオリーですが、

里山に住むにあたってはそこに住む住民でなんとかする必要があります。

それが水道組合という筆者が里山に暮らしはじめて加入した任意団体です。

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つまり、集落単位で水道インフラを維持管理していて、

本来なら行政が整えるべきインフラが集落に無く、

地域単位で水を確保するためのサバイバルイベントが多々あるということです。

そのイベントの一つに毎年年に一回、

集落の共同水源地のタンクの清掃と水源地までの農道の草刈りを

終日行うという集落の出事(でごと)があります。

年に一度の集落水道の行事。いつもと違ったところは?

集落で暮らしていくにあたって、共同で管理している水源地や設備なので

その行事は仕事を休んででもいく必要があります。

働かざるもの水使うべからずといった感じでしょうか?

水が使えないのは困りますし、

今まで先人が維持してきた水道設備のタダ乗りは、

流石に顰蹙を買いそうで参加しないわけにはいきません。

しかし、毎年あるこの水道インフラのイベントなのですがいつもと違うこと。

それは水源地までの農道が土砂崩れで通行不可になってしまっていること。

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そして、崩れた崖の上の方に用水路が通っているのですが

そこも土砂崩れで水が崖からオーバーフローし、

崖下に流れ出ていることが更なる土砂崩れを引き起こす要因になっているとのこと。

これはさらなる土砂崩れを引き起こしかねないダブルパンチです。

用水路の土砂は、機械が入らず。

なんと人力でどかす作業があることが判明しました。

水源地の土地や農道は個人の土地であるため行政はノータッチです。

集落水道の出事。当日の様子

水道組合に加入している世帯(15世帯)は朝の8時に公民館に集合します。

そこから、担当分けをしていきます。

水源地までの除草作業をする人、貯水タンク内を清掃する人、重機で土砂をのける人、水の神様へのお供えをする人、作業が終わった後の飲食物を買いにいく人などなど

15人の戸主が一致団結してそれぞれの場所で同時に作業に進んでいきます。

ちなみに役職は会計、事務局、会長の三役で輪番制ですが、

筆者の事務局は固定となっています。  

筆者は、一昨年水道組合の会計という役職をしていた関係で当日何を用意するべきか知っていました。(今年から事務局)

そこで今年からこのイベントに参加される方(会計さん)に購入品を伝えて草刈り作業へ。

清掃作業などが終わった後に塩と酒を撒く神事のための買い物が必要なんて

初めて参加する方は知る由もありませんね。

私も最初はびっくりしたことを覚えています。

筆者は今年は草刈り作業を担当 前年はタンク内の清掃係でしたが、

今年は草刈りと土砂の運搬担当になりました。

この日は熱中症アラートが発令されるくらい気温が高く、

子どもが生まれたばかりで、新生児時期の睡眠不足も相まってフラフラでした。

1年草刈りをしないだけで背丈ほどの草が水源地を覆っていて、

自然の中に住む大変さをひしひしと痛感します。

そして、また来年もこの除草作業をしないといけないかと思うと憂鬱な気分になります。

写真:除草作業前

写真:除草作業後

重機を使える人が土砂をのける

作業当日までに、水道組合の会計の予算で重機をレンタルしておき

当日は集落の唯一のオペレーターが大活躍します。

この方がいるおかげで、自然災害や何かあったときに頼ることが出来るので心強いです。

いわば、集落のヒーローですね!

水路の土砂を鍬でのけた

土砂崩れを起こした崖の上の用水路は、機械が入らない場所でした。

そして、

土砂が崩れている場所を通行しないとオーバーフローしている水路まで辿り着くことが出来ないのですごく怖い。

もし作業中に二次災害で崩れてしまったら命はもちろんありません。

災害が起こっている場所での作業は恐怖でしか無く、

この時ばかりは水道の整備イベント後に神に祈る神事(直会) をすることが

大切なのかなと思った瞬間でした。

ちなみにこの用水路、米作りを辞めた方が管理していた水路。

残念ながら今後誰も管理することがないとのこと。

草刈り後の神事をする

神事を行うにあたって神官さんなどはこの日は呼ばないのですが、

塩と御神酒をまきます。

水源地のタンク付近に撒き塩と御神酒を捧げて終了です。

はじめて神事を担当させていただき、貴重な体験になりました。

公民館でお疲れ様会

無事、全ての作業が終わり水道組合の作業をした方々でお疲れ様会をします。

このお疲れ様会は単なる飲み会では無いそうで直会(なおらい)というそうです。

ちなみに直会とは、神様に捧げたものをいただき、

水の神様のご加護を受けるといったものらしいのですが食べるものは特に指定はなく、

三重町にある惣菜店ジョニーの唐揚げ弁当と缶ビールなどが振る舞われました。

無事に今年も飲み水が使えることに感謝した1日となりました。

(2023/08/27の出来事)

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