こんにちは!朝山家の聡士(@HbHlUnRqYkj?bRMQ)です。
大分県豊後大野市の緒方町の里山の集落から発信しています。
今回の記事は、田舎暮らしでは必須の飲み水の確保です。
田舎に移住してきてびっくりしたことの1つである水道にまつわるお話です。
まず前提条件として、豊後大野市や竹田市(豊肥地区)の一部では
- 水道が通っていない地域がある
- 世帯ごとに井戸を持っている
- 水道組合など自治組織を作り共同水源を利用している
- 標高の高い場所では水源の水が枯れることもある
- 水利権を得られない場合は水の使用ができない
というような都市部での、
水道使用料を払って使えばよいという常識が通用しません。
水がないとその場所では生活ができないので死活問題であり、
これから田舎暮らしを志す方は必ず直面すること、知っておくことだと思っています。
行政などが整備した水道が通っている場所や地域であれば、使用量を払って利用すれば良いのです。
しかし、残念ながら私が住んでいるエリアは水道が通っていないため湧水を利用して
集落単位で共同で水道インフラを維持管理しています。
関連記事▶︎【水の問題vol.02】飲料水も集落で自給自足〜共用水源のローカルルール編〜
筆者の田舎暮らしも苦労の連続でした。
田舎暮らしでの水の確保方法のあれこれを紹介したいと思います。
水道料金を支払えば使える地域ももちろんある
記事の冒頭に田舎暮らしは大変だぞ!と不安を煽るような内容でしたが、
もちろん蛇口をひねれば普通に水がでる地域も普通にあります。
それは、筆者が以前住んでいた緒方町馬場地区というエリアです。
所在地:緒方町馬場地区のエリア
コンビニ、郵便局、スーパー2軒、ガソリンスタンド、JRの駅、タクシー、病院、市役所などなど
普通に暮らすには最低限の施設がほぼ全て揃っている意外と便利な場所です。
残念ながら商店街はほとんどシャッターが降りていて言葉が悪いですが、ゴーストタウンのような感じです。
しかし、町の中心部なので飲料水に関するインフラに悩まされることは一部地域を除いてほぼないでしょう。
下水も料金を支払えばOK。
水利の権利なんてありません。むしろこれが普通ですね。
車がなくても暮らせるので、田舎ですが意外と便利な場所です。
緒方町で田舎暮らしをスタートさせるには、まず緒方町の馬場地区からスタートさせるのが良いかもしれません。田舎移住の初心者におすすめです。
断水、停電、落雷の時はポリタンクを用意
筆者の住んでいるエリアは、水源地の湧水を活用して全世帯に水を配水することで飲料水を確保しています。
水源自体は、居住エリアから下の谷。
水源地から電気ポンプで高台に貯水して配水しているのでポンプがとまってしまうと貯水タンクの水が空になり水道が使えなくなってしまいます。
つまり、電気がないと水道が使えないということです。
そこで、落雷などで電気がストップした際は蛇口はつかないですが、水源地に行けば水自体はあるのでポリタンクに水を汲めば災害時でも大丈夫。
筆者はアウトドアが好きなのでウォータージャグ付きのポリタンクを購入して家に置いています。
昨年はそのポリタンクが大活躍!
防災にも役立つので田舎暮らしをする人以外でも持っていても無駄にはならないものです。
井戸水を持っている世帯もある
筆者の住むエリアでは、水道インフラを独自に確保している世帯もあります。
しかし、山の上なので地下水の水脈が変化したりして水量が減ったり、最悪の場合水が枯れてしまうこともあります。
そこで、井戸を持っているにもかかわらず、共同水源の権利として水道組合に加入している世帯もあります。
保険として両方のインフラを使うようなやり方で飲料水を確保している世帯もあるようです。
ちなみに、水道水と井戸水はどっちがお得か?というと
井戸水を使うと水自体の費用は0円です。しかし、消毒や掃除などを行わなくてはいけないことやポンプが故障したりした際にかかる設備費がデメリット。ランニングコストは水道水に比べて安い傾向があると感じます。しかし、やぱり水道水が楽でおすすめです。
湧水を飲料水として活用している地域の水利権
豊肥地区(竹田市)では、豊富な湧水が各所に湧き出ており道の駅ならぬ水の駅があるくらい豊富な水量で美味しい水が日常的に使えます。
しかし、豊富にある水資源ですが、新しく地域に引越しをしてきたりまたは古民家を買って他の県などから移住した際には注意が必要な場合もあるよう。
ある方に聞いた話ですが、古民家を購入し水道を使おうとした際に
地域の水道利用の権利を買ってくださいと言われたそうです。
水道組合の加入権利が30万円と高額の場合もあるようですが、ずっとそこに住み続ける意志があれば長期的に考えればお得かもしれませんね。
共同水源なのでみんなで協力して維持管理が必須。
きっと地域に新しいメンバーが増えるのは嬉しいことです。
田んぼの水路を濾過して飲んでいる地域も?
水道インフラが整備されていない地域は昔はどうしていたか?
と緒方町のある地域の地元の方に聞いてみると、
どこから漏れているか不明ですが、
農業用の水路などから染み出した場所の水源を使って飲料水を確保していたんだとか。
しかも、お風呂に入る回数なんかも1週間に1回しか入ることができない時代もあったそうです。
本当に命の水。水は貴重な資源。蛇口をひねれば水が出るのは当たり前ではないってことです。
田舎に住むと水の大切さに気がつくのではじめはカルチャーショックを感じるかもしれませんね。
飲料水として不安であれば水質検査をする
写真:水質検査をした際の資料
もし、湧水や井戸水を使っている地域の飲料水のことを知りたいと思ったら有料ですが水質検査を依頼するといいと思います。
筆者の地域(緒方町)では、月に数回程度ですが水道の検査を依頼することができます。
大分県薬剤師会が検査するのですが、緒方支所に取りにきてくださるようです。
実際に、筆者も民泊をスタートする上で最初に行ったことが水質検査でした。
水質検査に通らない水を飲みたくないし、旅館業法の検査項目の中の水質検査でアウトだったら事業自体できないですもんね。
それにしても、田舎暮らしはインフラが脆弱なところを含め苦労することが多い。
水道が通っている田舎に住む方が都市部から移住する方にとってはハードルが低いと思います。
(2023/08/21)
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