こんにちは!朝山家の聡士(@HbHlUnRqYkjbRMQ)です。
私は大分県豊後大野市の地域おこし協力隊として、2018年4月〜2021年3月末まで
商工観光課に所属していました。(最後の年は会計年度任用職員でした)
今回は、その地域おこし協力隊について書きたいと思います。
ちなみに、地域おこし協力隊の勤務内容や形態は、自治体によって大きく異なります。
地域おこし協力隊をしているとヤバいことやひどいこともたくさんありました。
※総務省が地方交付税として、協力隊の運営を各自治体に委託するため。
そのため、以下の文章は大分県豊後大野市の場合ということで読んでいただけると幸いです。
協力隊の仕事としては、1ヶ月のうち18日間勤務します。
任期中の休みの日には、任期を終えたのちのことを考えて
任期中に定住のための仕事をしなくてはなりません。
それは生活するための収入が無くなってしまうためです。
ただでさえ仕事が少ない条件不利地の僻地で、任期後に起業の準備をしようなんて厳しすぎます。
手に職があって地方移住し、引く手数多の有名な方で、
尚且つ場所を選ばない働き方ができるのであれば別だと思います。
しかし私は、手に職を持っていないし、社会人経験も浅く、
地域おこし協力隊になる前は、阿部礼司みたいなごくごく平均的なサラリーマンでした。
(日曜日にラジオ聞く方はわかるネタ)
フリーミッション型とミッション型の雇用の形態でも変わって来ますので一概には言えませんが、
私の場合はミッション型で仕事の内容がある程度決まっていました。
任期後は起業も視野に入れて、定住するための収入を得なければなりません。
そこで、地域おこし協力隊の任期中に複業(パラレルキャリア)を目指すことにしました。
この記事が就任直後の協力隊や、これから起業を考えている協力隊に役にたてば幸いです。
参考までに、総務省の令和2年度の地域おこし協力隊卒業後どうなったかの資料の中の一部を抜粋して載せておきます。
※参考:令和2年度における地域おこし協力隊の活動状況等について
定住に関わる仕事で副業申請をしよう
行政は、ルールの中で動いていてそれにそれたことは一切認めません。
当たり前のことですが、職員さんは法的根拠をもってお仕事されています。
全国の協力隊の声のなかには「全然、協力隊を相手してくれない」
なんて意見もありますが行政職員さんも人間です。
自分の家族のために仕事をしており、生活を犠牲にしてまでリスクをとって、
1年契約更新の臨時職員のやりたいことを全面的に協力してくれなんて利己的でナンセンスな考え方だと思いませんか?
自分の厳しい意見かもしれませんが、
相手の仕事と立場をまずは理解することが必須だと思っています。
大切なのは地域にとって有益で(産業的に必要だったり地域に需要があったり)やりたいことに必要だから、
それに関連する仕事をさせてくださいという姿勢が大切。
いくら都市部で大企業の役員だったからって、田舎では年功序列です。
どんなに優れたビジネスマンでも移住初期は新入社員からスタートだと思った方が良いと思っています。
むしろそうあるべきかもしれません。
協力してあげたいと思ってくれる地域の方を味方につけた方が絶対にうまくいくと思います。
そして、行政職員さんは地域の住民のために誇りを持って仕事をしていて、よく地域のことを知っています。
協力隊は立場的に市の嘱託職員で、はじめは地域のことは詳しくありません。
知らないこと、わからないことは地域のことをよく知っている行政職員さん(地域の先輩)を頼ってみましょう!
話を戻しますが、例えば移住した地域で〇〇屋さんをしたいので
集客のためにWEBマーケティングや広報のためにHP作成の仕事
をさせてくださいはOKでしたが、
休日にITの仕事としての副業でHP作成をするので
副業許可させてくださいと言えば根拠が不明確なのでNGだったでしょう。
日常的なコミュニケーションや信用も非常に大切な要素かと思います。
とにかく一生懸命に直向きに努力することが一番だと実感しています。
絶対に道は開ける!千里の道も一歩から!
同じ仕事をするのに、許可が出るか出ないかは根拠を説明できるかで、将来の展望に関わってきます。
将来の仕事をする上でのスキルアップの仕事という根拠を任期後のビジョンを上長に伝えて納得させるぐらいの熱意がなければ許可は得られないかもしれません。
論理的な思考をもとに、筋道を立ててなおかつ情熱をもって相手に説明をして、納得してもらいましょう。
幸いなことに、私の所属していた課は大変理解があり協力してくださった結果、今があります。
迷惑もたくさん掛けましたが、全ての関わってくださった方に感謝感謝です。
見える形で実績を示す
口だけで頭でっかちな人、周りでいませんか?
大きな夢は語るけど行動はしない。何か努力していたり、行動している人に横槍を入れるなど。
私も周りからしたら、そうだったかもしれません。
田舎暮らしでは、即戦力や手や足を使って一緒に汗をかくこと
なおかつ、
努力が目に見える形での成果が好まれる傾向がある
と協力隊の活動3年間を通して感じました。
素晴らしいビジネスプランを考えたり、素晴らしい企画を考えたとしても
それを実行して成果を出せたか否かで周りの評価は変わってくると思います。
成果は定量的に示せるようにすることも大切。数字は説得力があります。
要するに、行動しながら考えることが大切だと思います。結果が全てです。
PDCAを回すと言いますが、Plan(計画)する暇があるならDo(実行)をしまくれが個人の経験で得た教訓です。
自分が行動して経験しなくては、Planができません。
C(評価)の部分は地域住民の評価なので、自己Checkで十分だと思っていました。
人間は機械のように、制御工学に基づいたPDCAに基づいた行動なんて継続的に繰り返すことなんてきっとできません。
田舎は業種にもよりますが、都会のような生産的で成長メインの企業のように強制はされていないように感じます。
それは、精神面ですごく豊かなくらしだと思っています。
たとえ金銭的には豊かではなかったとしても、優しかったり親切だったり。心はすごく豊かです。
ゴールから逆算した考え方
私の場合は、協力隊の任期後のゴールは「宿泊業×複数の小さい仕事」をしたいと思っていました。
宿の収入だけでは生活が成り立たないと思っていたので、そのほかの仕事も作らないといけないと切羽詰まっていました。
協力隊のうちから生活にかかる費用を年間で家計簿をつけて試算し、
どのくらい収入があれば生活していけるかを計画しました。
食費など固定費は地方であれば工夫次第でなんとか節約できますよ!
夫婦で協力隊をしていたので、2人分の例を記載しておきます。
妻の例)宿泊業×ピアノの講師×学生の学習指導×ガイド業×ライター×地域の小さな仕事
どれか一つの仕事がなくなったとしても、それを補填する収入源の保険をかけておきます。
私たちの場合は
「できること、お金に変えられるサービスなどをどんどん増やしていく」
スタイルです。
例えばこの記事。
IllustratorやPhotoshopを使ったことがないところから、勉強して経験を積んで仕事にするまでを書いています。
自己成長が収入に直結するため、いやがおうでも努力をしなければなりません。
時には辛いこともありますが、家族の支えがあるので頑張ることができます。
やっておいた方が良いこと
定住して仕事をするのであれば、三年後を見据えてやっておいたことが良いと思うことをリストアップしてみました。
できる限り地域の人とつながる
仕事の内容にもよると思いますが、市役所の中だけで仕事をするのはもったいないです。
休みの日に、ボランティアや地域のイベントに参加してみたり自治会の行事などに参加してみましょう。
自治会の行事でやったことも記事にしてるので、興味があればご覧ください。
↓↓↓↓水道組合の加入世帯で水源までの道を整備した話↓↓↓↓
↓↓↓↓集落の住民でしめ縄作りをした話↓↓↓↓
↓↓↓↓田舎に住むなら避けて通れない宿命。ハードな草刈りをした話↓↓↓↓
その他、ボランティアでイルミネーション飾り付けのお手伝いをさせていただいたこともありました。
きっと、任期中や任期後の活動に協力してくれる方が何人かはいるはず。
自分の顔を売ろう
恥ずかしいからメディア露出はやめておこうという考えはもったいないです。
起業後に広報しようとすると、時間もお金もかかります。
足で稼いで人に会いに行ったり、報告会のイベントを開いて自分の活動を知ってもらうことが地域での広告宣伝になります。
SNSを積極的に利用しましょう!
起業するために関連する内容が良い
私たちの場合は宿をしたかったので、
建築の勉強、web制作や広報マーケティング、観光業に関する仕事が関連項目です。
宿のハード面を整える
大工、左官、塗装、屋根工事など建設業に関わることを学びセルフリノベーションをするなど
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宿のソフト面を整える
出版物のデザインを学ぶ(イラストレーター)、WEB制作をする、宿の経営を学ぶ、OTAの使い方や仕入れ先を決める、田舎でしか体験内容をプランにするなど。一つ目の体験はニワトリの卵を宿泊のお客さんの朝食に出すことでした。
観光業などを盛り上げる
ガイド資格をとって、実際に市内のスポットを案内できるようにしたり、地域の人しか知らない穴場情報などをコンテンツ制作をしてメディア発信をしたりしました。
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事業に関わることを可能な限り内省化し、それを磨くことで仕事にしていきます。
朝山家のビジネスプランの例です。
田舎で宿をしたい方の参考になれば嬉しいです。
起業資金を貯めよう
起業でほとんどの人がネックになってくるお金のこと。
生活費や固定費は、田舎の場合は工夫次第でかなり抑えられます。
給料を3年間積み立てて100万は貯金しておきましょう。
(地域おこし協力隊のステップアップ研修でも議論されました)
協力隊はきちんと事業計画書を作成して任期を全うすると、国庫から借入がしやすくなり優遇されやすいです。
私たちの場合は宿泊業をするために、改修費や物件の改修費にあてて起業準備をしていきました。
やりたいことで飯を食おう
3つぐらいやりたい仕事をリストアップして、
それを掛け算することで複収入を得る計画を立てましょう。
一つがダメになったとしても、残り二つの仕事があると思えば気持ちが楽です。
税金の勉強をしよう
事業をする上で、絶対に外せない内容です。
個人事業主であれば、確定申告の勉強は必須。青色申告や税額控除、節税を学びましょう。
図書館で本を借りたり、youtubeやwebで学んでおきましょう。
実際に事業をされている地域の方に話を聞いて参考にするのも有効です。
まとめ
どんなことでも、簡単に収入が得られて楽な仕事なんてありません。
うまい話なんてものは絶対世の中にはありません!
目標が決まれば、しつこく、したたかに粘り強く食らいついていくハングリー精神が大切かと思います。
やりたいことがあれば、どんなに辛くとも金がなくとも努力はできるはず。
平凡な私たちでもできたのだから。
意識は高く持つのは大切ですが、それを人に押し付けるのはやめておいた方が吉です。
田舎暮らしは、地域の方と仲良くすることが大切です。
全ての田舎ぐらしを目指す方への参考になる記事になることを祈って。
それでは、また。
(2022/05/09)
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