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日淺 聡士

【カンタンなプロフィール】

■理系四大学卒業(夏目漱石の「坊ちゃん」がOB)
■民間企業勤務(航空業界)
■協力隊&ITベンチャー
■「朝山家」の運営
■起業(PLD代表)
■NPO法人空き家サポートおおいた

→大分県の山奥の限界集落に夫婦で移住。
古民家をDIYとリノベーションで数年かけて再生。
→「朝山家」という宿を妻と一緒に営む。

→好きな食べ物はうどんとおでん。
→DIYや渓流釣りなどアウトドアが趣味。

里山での田舎暮らしと
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【農協の回覧板】私、農家じゃないんだけど?!自治会の組長が農家でなくても任せられること

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#くらし

こんにちは!朝山家の聡士(@HbHlUnRqYkjbRMQ)です。

私たちが住む大分県豊後大野市の限界集落から発信しています。

田舎暮らしでよくも悪くも直面する田舎あるある。

そう、回覧板や自治会のことです。

私は、自治会の活動をする中で20代で組長(隣組)という役職を任されることになりました。

最初は、組長ってヤクザのドン?!って思ったのですが

よくよく話を聞いてみると、自治会を運営する自治会長の次の役職みたいです。

※写真はイメージ。私は板屋組合という組合長です。

普通に暮らしていて、

「俺、組長なんだ」

って言ったら都市部では怖がられる存在になりかねませんね笑

今回は、私が経験した組長の役割について書こうかと思います。



回覧板を回すのは、組長の役割

聞くところによると「組長」というと、組の中では少しだけ偉ぶれるらしいのですが

80代の人生の大先輩の方々に偉そうにしても何か違う気がしてなりません。

私自身は組長になっても今まで通りの接し方です。

組長は2年に1度、組に属する各世帯がつとめること

になっています。

回覧板のほか、農協や広報誌などの配布物を同じ組内の各世帯に届けます。

また、年のはじめに区費を集めて自治会の会計の方に持っていくという役割もあります。

※ちなみにうちの集落の自治会費は15,000です。

内訳は消防費、街灯の電気代、公民館の使用料などの費用などになります。
また内訳については、記事を書こうと思います。

JAおおいたの回覧板。

区の構成は?組(班、隣保班)とは?

朝山家は民泊なので、世帯主である私が、2022年の4月から組長を務めています。

ちなみに組の世帯数は6戸です。結構少ないです。

2年に一回、持ち回りで組の中の各帯主がつとめるので、

途中で世帯数が減ったり増えたりしなければ、

10年に一回は組長の役割が回ってくることになります。

私たちが住んでいる区の組4つの集まりが「分区」と言われるものです。

上図の様に、分区が4つ集まって区を構成しています。

組によって戸数が違い、少ないところでは3戸ですが、

私たちが住む区全体では31戸になります。
ちなみに、ここの集落では世帯主のことを戸主(こしゅ)と呼ぶそうです。

聡士
聡士
戸主とは、調べてみると
「民法旧規定における家制度の中心となる家の統率者・支配者の名称。一家には必ず一人の戸主がおり、祖先の祭祀と家の財産とを承継し、家族の婚姻等に対する同意権、家族の居所指定権等をもっていた。新憲法の精神によって現行民法では廃止された。」※引用

戸主=戸籍筆頭者のことらしいです。

※組長の数や呼称は、もちろん地域によって違います。
組は、町内であっても班や隣保班などとも呼んでいるそうです。

2022/07/04時点では、私の区全体で31戸です。

自治区の役割について

回覧板や役場の配布物は、ひと月に一、二回、分区長さんのところから届けられます。

一般的には、この区というものが、「地域社会を運営する一つのまとまり」。

市のなかで町と区画を区分する様なもので、
町の中に更に区画を細かく分けたものが、自治区(自治会)になります。

地域の共同生活に関わる様々な問題を処理するための自治議会の機能を持っています。
ゴミ捨てのルールや、

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その自治区の最高意思決定機関として総会も行います。
※私たちの集落では、「常会(じょうかい)」と呼ばれています。

ただし!

私たちの住む集落は常会が年に4もあって他の地域より多めです

通常総会は、毎年1回行うのが、一般的な自治会の組織では多いようです。

総会(常会)は、各世帯から一人出席することになっています。
欠席した場合、200円の罰金制です笑

全世帯の世帯主(戸主)が総会時に全員が揃うかといえば、答えはNO。
そのあたりは、どのような組織でも参加率にはばらつきがあることでしょう。
出る人もいれば、(都合により)出ない人もいます。

基本的には自主的な自治組織なので、村役場などの下請け組織でありませんが、

そこを勘違いしている方も中にはいらっしゃいます。

行政からすれば任意団体という位置づけです。
ともあれ、自治組織ということは、住民の便宜を図るために行政の手伝いもしますが、

区にマイナスなことが起こることがあれば、
町役場(支所)と対立することも辞さない、ということも多々ありえます。

飲料水など、行政が関与しない地域もあるためです。

回覧板と隣組

もっとも、行政の下請けのようなボランティア活動。

私たちの住む集落で日常的なところでいうと、

「役場や農協」「森林組合」「市の広報誌」、

町のイベントなどの情報を伝達する役割を区は担っています。
今回の特集は防災についてでした。

回覧板もその一つになるわけです。
紙媒体での情報伝達ですが、スマホを駆使できる方は、
市報もpdfで読むことができるので、積極的にそちらを利用しているようです。

他には、健康診断の案内農協の広報誌(農業資材の購入)などの
配布物を各家庭に届けるのもそうです。どこの地方でもだいたい同じかと思います。

なんで自治会組織って仕組みがどこも同じなの?

自主的でボランティア要素が高い自治組織と言いながら、
どの地方でもやっていることが同じなのはなぜって思いませんか?

それは、このような役割を担うようになっているのは、日本の歴史と大きく関係しているからです。

隣組(となりぐみ)は、第二次世界大戦下の日本で各集落に結成された官主導の組織でした。

戦争総動員体制を具体化したものの一つらしく、

1940年(昭和15年)に内務省が訓令した「部落会町内会等整備要領(内務省訓令第17号)」(隣組強化法)によって制度化されました。

5軒から10軒の世帯を一組として地域の団結や地方自治の進行を促し、
戦時下の住民動員や物資の供出、統制物の配給、空襲での防空活動などを行ってきた、

いわゆる「相互扶助」の考え方です。

隣組は、相互扶助や団結をもって戦争を地域でも支えるとともに、
国策を国民に徹底させるためにも都合がよい組織です。

それは、隣組がトップダウンの情報共有などの役割も果たし、回覧板が普及することになります。

回覧板などは今でも残る戦前の仕組みを色濃く残していたというわけなのです。



回覧板は地域の貴重な情報源

昔の隣組と回覧板の歴史などはさておき、

村内、町内の情報や町の動きを知るには、回覧板や配布物は少なかれ役に立ちます。

たとえば、前月の回覧板の内容はと言うと、

チューリップフェスタの通行規制のお知らせチラシ、近くの発電所の工事に伴う工事車両の通行について、警察署から事件事故の件数や振り込め詐欺の防止などについて書かれた広報誌、小中学校からの便り、イベントのチラシなどなどです。こうした情報がまとめて見られるのは正直なところありがたい。

しかし、イベントに関しては私たち世代に有益な情報は正直なところあまりありません。ゲートボールやクラブ活動などはまだ定年退職後のさらに先のはなしです。

いまのところ、ニュースなどはスマホで見れますし、

地域のことは紙媒体で情報が伝わるスピードよりも口伝えの方が幾分早いような気がしています。

自治会(組)に属していれば、回覧板は不在でも回ってきますし、組長になれば数回ですが回覧板を回します。

自治会は任意団体。自治会費(区費)を払わないと?

自治会費(区費)を支払わないかつ、組にも属さないとどうなるの?と思ったあなた。

結論から言うと、やめておいた方が良いです。

自治会は自主的な自治組織だし、任意団体。それなら、参加も自由でしょと思うかもしれません。

人とのかかわりが面倒だから、参加しないという判断もありえます。

しかし!それは地域の人たちからすると、仲間入りを拒否した裏切り者。と受け取られても仕方ないということを覚悟しといた方が良いかもしれません。

特に、その当時のしきたりを尊重した村社会が存在していた場所ではなおさらです。

自然災害などが起こった際は自治会の存在は助かるかと思います。
移住者がメインの別荘地は例外ですが、村の中に住んで快適な人間関係を築く上でも、リスクを犯してまで人との繋がりを拒否する選択肢はないと考えます。

そうは言っても、自治会に加入する際に高額な入村料が必要な地域や、役につくと(私の集落では区役という)日常の生活や仕事に大きな支障が出るほど忙しい地域もあるかもしれませんので注意は必要です。

(2022/07/04)


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