こんにちは!朝山家の聡士(@HbHlUnRqYkjbRMQ)です。
大分県豊後大野市の緒方町の里山の集落から発信しています。
今回は、
田舎の古民家や空き家をDIYでリノベーションや
改修したい方に向けての記事になります。
※詳細な作業工程は次の記事に書きたいと思います。
筆者は地域おこし協力隊として移住しました。
その後、宿の開業(起業)に向けて古民家の再生に取り組んできました。
関連記事:【DIY】「朝山家」が2年間空き家で廃墟だった頃。再生前のキッチンの様子。
しかし、改修作業に追われて情報発信や改修の記録を残せずにいました。
そこで、約2年前の経験をもとにその当時のことを思い出して
記録を残しておこうと思います。
※DIYは完全に素人でしたが、
職人さんにアドバイスをもらった内容などを盛り込んでいます。
写真:雨漏りの修理をする筆者
これから古民家を買おうとしている方や修理を検討している方は
参考までに読んでみてくださいね!
詳しく情報を得たい方は工務店などの
他サイトのリソースを参考にすることをおすすめします!
瓦の寿命って知ってる?
家の基礎と屋根は古民家を改修する上では特に大切なことだと思っています。
雨漏りの状態が長い古民家や空き家は、
構造の部材まで水が入ってしまっていることが多く
慎重にならなければなりません。
なんと職人さんでも雨漏りの修理は原因をすぐに特定するのが難しく、
考えらえる箇所を実際に解体してみなければわからないことも多々あります。
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ちなみに、幸いにも私たちの古民家の場合は解体をしてみたところ
目に見える場所以外の雨漏り箇所が5箇所程度ありました。
しかし!
構造材に致命的なダメージがなかったので補強程度で済みました。
雨漏りの原因の一つである屋根瓦自体の寿命についてまず書いていきたいと思います。
茅葺屋根のことは今回は言及しません。
「焼き瓦」の寿命とメンテナンス方法
古民家の屋根材として使われてる瓦の多くが陶器(粘土)瓦です。
種類は2種類あって、「いぶし瓦」と「陶器瓦」。
その建物がある立地や自然環境にもよりますが、
陶器瓦は、寿命が約50~100年。
非常に寿命が長くコスパが良いです。
一方、「いぶし瓦」は寿命が約30~50年。
※両者の焼き瓦を比較すると、釉薬を塗ってから焼くか塗らないかの違いです。
1枚の瓦が重くて大変でした。
そして、瓦の寿命を伸ばすメンテナンスの方法は「専用の塗料」を塗ること。
瓦職人さんに「陶器瓦のおすすめの塗料はないか?」
と聞くと、「塗装は基本的には不要」とのこと。
しかし、寒い地域では割れやすいというデメリットがあるようです。
見た目を美しくするのであればオリエンタル工業(株)の製品である
「新いぶしコート」という塗料をおすすめされました。
この塗料は「特殊アクリルシリコン樹脂」の効果で耐候性に優れ、
長期にわたって色落ちがないらしい。
しかも、シーラーが必要ないので塗装が簡単!
見た目も綺麗になるし、瓦本体の劣化を防ぎ、撥水性が向上するとのこと。
※しかし、一度塗装してしまうと定期的に塗り直しが必要になります。
綺麗にメンテナンスをするには、「瓦を塗料で塗装」。
「セメント瓦」の劣化のチェックとメンテナンス方法
筆者は豊後大野市を中心に、空き家調査をすることがあります。
その中で気付くことがあります。
それは、
空き家や古民家の屋根瓦はセメント瓦が多いということ。
セメント瓦のデメリットは、
「経年劣化や風化によって防水効果がなくなってしまうこと」
メンテナンスの合図は、
コケが生えたり緑色になっている状態です。
セメント瓦は、「石灰石」、「砂」、「セメント」などの主原料で構成されています。
劣化の確認方法は、
水をかけてたわしで擦ってみて、表面のセメント部分が溶け出し
砂が剥き出しの状態になること。(石灰石が溶け出す)
表面がざらざらとしてる状態であればアウトです。
では、劣化したセメント瓦を復活させるには
どうすれば良いか?というと、
雨水を吸わないように塗装をして塗膜を作り、防水効果を取り戻す必要があります。
DIYで塗るのであれば、洗浄後にセメント瓦用の塗料を塗ってみましょう!
実際に築年数がわかれば、瓦の状態を確認する判断材料にもなりますね!
最近ではセメントに樹脂繊維と気泡を含めた「ハイブリッド瓦」が人気です。
雨漏りの原因は瓦だけではない
写真:DIY前の雨漏りの様子
瓦が破損していたりすれば、簡易的な処置として交換だけで済むかもしれません。
写真:雨漏りの状態把握(雨の日の屋根裏にて)
しかし、雨漏りをとめたとしても
雨が染みた結果として例えば写真のように、
内装の天井材にシミが付いていたり、
屋根の垂木や野地板などの下地材が腐ったり劣化している可能性が高いです。
【雨漏りの原因01】落ち葉が溜まっている
写真:ドローンにて上空から撮影した落ち葉のつまりの様子
家の裏山などに樹木や竹林がある山間部の家は特に注意が必要です。
筆者が住んでいる古民家の裏には竹林があります。
風が吹くと竹の笹がひらひらと、家の屋根に降りかかり瓦などに張り付きます。
特に竹の笹が厄介!
なぜ厄介かというと理由は6つあります。
- 瓦に張り付いてなかなか落ちない
- 隙間に入り込み、土のようになる
- 雨が降ると、土のようになった箇所から水が染みる
- 雨樋に詰まって流れない
- 雨樋に詰まることによって雨樋から雨水があふれる
- けらば(家の軒)が腐りやすくなる
雨漏りの可能性を減らすためにも、
定期的な屋根の掃除と雨樋の清掃が必須ということです。
空き家になってしまうと定期的にこのような維持管理ができないこともあり
不動産の価値を大きく下げる要因にも。
【雨漏りの原因02】屋根下地の経年劣化による瓦のズレ
瓦がずれているだけなら、もとの場所に戻せば改善される可能性があります。
しかし、水平面から屋根をみた時に
水平ではなく波打っているようになっていることがあります。
これは、下地の木材が歪んで下がっていることで瓦がずれていることが多いのです。
屋根の下地が真っ直ぐではない上に、瓦を乗せても隙間ができてしまい雨漏りが起こってしまいます。
瓦のズレをなくす方法としては、
木部の下地(瓦桟・垂木・野地板)を一度解体し、
新しく下地を水平に造作しなおす。
そして、瓦のズレが起きないように配置すること!
【雨漏りの原因03】台風や強風などによる瓦のズレ
古い家の瓦は、「土葺き(つちぶき・どぶき)」であることが多いです。
例えば、固定の仕方については、
漆喰や金属ワイヤーなどを使って固定しています。
筆者がDIYした古民家も「土葺き」でした。
そして、
固定している漆喰が劣化すると、
台風などの強風で瓦が落ちるリスクが高まります。
ちなみに、固定している漆喰の寿命は10〜20年と言われています。
経年劣化が進みやすい場所なので、古民家や空き家を購入検討する際は
特に注意してみてみることをおすすめします。
まとめ
これから古民家を買おうとしている方や修理を検討している方。
まず、「陶器瓦」と「セメント瓦」の判断し見分けること。
それぞれのメリットとデメリットをまず知りましょう!
DIYでできる範囲であれば
瓦を取り替えたり、塗装作業などをやってみましょう。
ただし、高所作業は危険が伴う作業であるため雨の日の作業は絶対にNG。
足場が滑ってかなり危険です。
安全帯や落下防止、足場の確保ができるのであれば
挑戦してみるのも良いかもしれません。
しかし、屋根の雨漏り修理は家を守り寿命を伸ばすためには、
かなり大切なこと。
だからこそ、慎重になる必要があります。
筆者は、住む家は自分で構造や不良箇所を把握したかったため
解体、造作、ルーフィングの敷き込み、瓦の設置、南蛮漆喰の左官作業など
一貫して1人でDIYしました。
次は、雨漏りの修理をした時のことを記事に書きたいと思います。
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(2022/12/17)
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